~事務所だより~
こんにちは。安田コンサルティングの安田です。先日、島本町商工会にて「個人事業主向け 経営はじめの一歩セミナー」の講師を務めさせていただきました。
今回のセミナーは、日頃の事業運営に直結する「確定申告の損益計算書の見方」から始まり、「売上を増やすための基本的な考え方」「粗利の重要性」「業界平均数値の活用法」「目標利益から逆算した目標売上の算出方法」など、経営に欠かせない基礎的な視点を体系的にお伝えする内容でした。
確定申告は「税務処理」というイメージが強いですが、実は損益計算書は経営の現状を映し出す大切な資料です。単に提出するための数字に終わらせず、「自社の強みや課題をどう見抜くか」という視点を持つことが、次の一歩を考える大きなヒントとなります。
また、売上の公式「数量 × 単価」をもとに、広告宣伝による新規顧客獲得、成約率を高めるクロージング、リピート客の育成といった具体的な取り組みについてもお話しました。特に小規模事業者にとっては「粗利(売上総利益)」をきちんと理解することが欠かせません。経費を差し引いた後にどれだけ残るかを意識することで、経営の意思決定がぐっと明確になります。
さらに「日本政策金融公庫が発表している小企業の経営指標」を活用し、自社の数値を業界平均と照らし合わせることで、客観的に強みや改善点を把握する方法をご紹介しました。そのうえで、生活費・返済・税金など必要利益から逆算して、目標売上を算出する手法の具体例を交えて解説。例えば、最終的に450万円の目標利益を得るためには、売上総利益率30%と仮定した場合、年間売上2,500万円が必要になる、といった計算です。数字で目標を可視化することで、日々の取り組みが「どこにつながっているのか」が理解できるようになります。
今回のセミナーでは、経営初心者の方からベテラン事業者の方まで幅広くご参加いただき、「損益計算書の見方がよく分かった」「売上と利益を結び付けて考えられるようになった」といった声をいただきました。少しでも皆さまの事業運営に役立てていただけたなら幸いです。
今後も、地域の事業者の皆さまのお役に立てるよう、分かりやすく実践的なセミナーをお届けしてまいります。ご参加くださった皆さま、そして開催にご尽力いただいた島本町商工会の皆さまに、心より感謝申し上げます。
~建設業ニュース~
【建設技能者の賃金6%引き上げへ 国交省と業界団体が対応加速】
国土交通省と建設業主要4団体(日建連、全建、全中建、建専連)は9月11日、建設技能者の賃金を2025年に「おおむね6%」引き上げる官民共同目標の実現に向け、対応を加速させることで一致しました。現在、直用で6%以上の賃上げを実施した企業は16.3%、下請けは21.7%にとどまり、十分に浸透していません。背景には公共工事の低い落札率や、設計労務単価と実際の賃金との乖離があり、団体側からは設計労務単価の引き上げや入札制度改善を求める声が出ています。国交省は10月に基礎調査を行い、処遇改善の実効性を高める方針で、技能者の地位向上に向けた官民の取り組みが本格化しています。

