建設業は本当に個別原価計算が向いているのか?活動基準原価計算を考える

 建設業において原価管理業務は非常に重要だ。しかし多くの企業がどんぶりであり、少数の企業においては一応原価管理と呼ばれる業務が行われている。予算をたてて原価と比較しているか、単に工事別の原価を把握しているだけかの違いはあれどもその殆どは個別原価計算と呼ばれる手法を採用している。

 しかしすべての建設会社において個別原価計算が良いということではないのだ。

 特に現場管理業務が中心で施工の殆どを外注にまかせているゼネコンは個別に把握される原価は外注費のみでその他の原価についてはある基準でもって配賦されることが多い。強引に各工事に配賦された数字は客観的な信憑性を持たないために、せっかく得られた原価が意味を成さないものとなる。「うちの工事は黒字なはずなのに共通原価がこんなに配賦されては赤字になってしまう!」という現場の声はどこにでも聞かれる話である。配賦する原価の割合が大きすぎて実際の原価とは大きな誤差が発生してしまうためである。
 共通原価という呼び方も良くない。単に個別に把握できないだけで「共通」と呼んでいるだけだ。実際には把握することも可能で、そこに原価管理上のポイントが潜んでいるケースが多い。
 特に営業担当者や積算担当者の原価を各工事別に把握できなければいつまでたっても「粗利は出てるのに営業利益になるといつも赤字だ・・・」という経営者の意思決定を促すための経営資料は得られないのである。
 そこでオススメしたいのが活動基準原価計算と呼ばれる手法である。ABCとも呼ばれるこの手法はこうした共通原価に着目した原価計算とも言える。管理業務中心のゼネコン向けの管理方法である。
 その詳細はここでは説明できないが、インターネット上にも色々と解説があるので調べてみてほしい。参考書としては『図解 ABC/ABM(第2版)』などがある。


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